猫野BON太郎日記

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写真の奥深さ:記憶の輝き

写真のフォルダを整理していると、ふと手が止まる一枚に出会うことがあります。

数年前に訪れた、長門峡で撮影した秋の風景です。 どんなカメラを持っていったか、絞りやシャッタースピードがいくつだったか、そんな「データ」はすっかり忘れてしまいました。でも、この光景を前にして無我夢中でシャッターを切ったときの「心の動き」だけは、今も鮮明に焼き付いています。

燃えるような真紅のモミジ。その中に、まるでそこだけ光を集めたかのように、一枚の黄色い葉がふわりと乗っていました。 意図して配置したわけではない、自然が偶然作り出した小さな奇跡のようなコントラストに、すっかり目を奪われたのを覚えています。

背景には長門峡の冷たく透き通った渓流。 白く流れる水の「動」と、ゴツゴツとした岩の「静」。そして、背景の青みを帯びた寒色に対して、手前に迫り来る紅葉の暖色。

写真の面白さは、高価な機材や完璧な設定だけで決まるものではないと、過去の自分が撮った写真に教えられた気がします。目の前にある美しいものを、どう切り取るか。ただそれだけを純粋に追い求めていたあの日の感覚を、これからも大切にしていきたいです。

この記事を書いている時点ではまだ初春ですが、今年も今の手持ちのカメラと一緒に新しい秋を探しに行こうと思います。